雑兵たちの戦場
中世の傭兵と奴隷狩り
書名:雑兵たちの戦場
著者:藤木久志
発行:1995年11月1日 第1刷発行
出版社:朝日新聞社
ISBN:4-02-256894-1
価格:2400円(本体2330円)
備考:
◎解説
飢餓と戦争があいついだ日本の戦国時代、英雄たちの戦場は、人と物の掠奪で満ちていた。戦場に繰り広げられる、雑兵たちの奴隷狩り--まともに耕しても食えない人々にとって、戦場は数少ない稼ぎ場だった。口減らしの戦争、掠奪の立ち向かう戦場の村の必死の営み。やがて、天下統一によって、戦場が閉ざされると、人々はアジアの戦場へ、城郭都市の普請場へ殺到した。「雑兵たちの戦場」に立つと、意外な戦国社会像が見えてくる。
◎目次
プロローグ
I 濫妨狼藉の世界
1 戦国の戦場
乱取りの世界
九州島津軍の戦場の生捕り
南肥後の戦場
紀泉国境の戦場
奥羽の戦場
男女牛馬いっさい取るべからず
乱取り・乱妨取り
『甲陽軍鑑』の描く乱取り
乱取りする日
身代金の習俗
奴隷売買の痕跡
苅田狼藉の世界
天下統一の戦場から
天正十五年夏の奴隷問答
秀吉人身売買禁止の初令--バテレン追放令のなかで
秀吉の見た九州戦場の乱取り
フロイスの告発
天正十六年令(人身売買破棄宣言)の発見
秀吉人身売買停止令の位置
東国の平和と秀吉令
2 朝鮮侵略の戦場
平和と侵略
男女生捕り、日々に参る
サルミ・テルマ・カクセイ
戦場の人買い商人
朝鮮戦場からのメッセージ
3 江戸初期の戦場
関ヶ原戦場の人取り禁止令
大坂の陣の奴隷狩り
濫妨人改めの帳
戦争奴隷たちの行方
近世初期の人身売買停止令
4 奴隷狩りの系譜
将門の乱の人取り
鎌倉武士の戦場
戦国の検断の光景
中世検断の暴力
いのち助かるの儀
II 戦場の雑兵たち
1 口減らしの戦場
秋冬はいくさをする
春に飢える
戦場の出稼ぎ--村を捨てる百姓たち
大坂の陣の出稼ぎ
戦国武士は兵農未分離か
兵を集める条件
田植えする武士たちの伝説
2 渡り歩く奉公人たち
一僕の者
一騎当千の下人
渡り中間の原像
古代の傭兵たち
傭兵たちの風貌--かぶき者の面影
3 戦場の悪党・海賊・商人
夜討・朝がけ・忍びの悪党
夜走・夜盗いたす者
ゲリラ請負人たち
鎌倉期の傭兵像
海賊の棟梁と侵略軍--伊丹屋助四郎のこと
戦場の飢餓と商人
両属の商人・死の商人
戦場の商人たち
III 戦場の村--村の城
1 城は民衆の避難所
高みの見物論
あがり城--領主の城に避難する
城あがり・山あがり--村の避難の二つの型
城籠り・小屋籠りの習俗
立花城下にて秋山口を探す
フロイスの見た戦場の城籠り
落城の光景
開かれた曲輪
城の維持管理は村のつとめ
村の末代請切
寺社に逃げ籠る
九州の村の城
村人の小屋上がり
2 安堵を買う
半手の村・半納の村
百姓免除の制令
禁制を買う
還住の制札
還住の保障
フロイスの見た国替えの惨禍
中世還住の原型--代替り徳政の系譜
IV 戦場から都市へ--雑兵たちの行方
1 浪人停止令
戦争から平和へ、戦場から普請場へ
平和と浪人
浪人と毒薬--毒の売買停止令
2 「身分法」と人掃令
天正十九年八月令をどう見るか
奉公人は町人になるな--戦場から都市への奔流
百姓も町人になるな--過疎化するムラ
奉公人法度
奉公人の下人相論
六十六か国人掃令
襖の下張りは語る
新たなる奉公人軍需
3 日用停止令
戦場から都市へ--日用(日雇い)たちの奔流
二つの日用停止令
日用停止令は何を目指したか
日用たちの世界
ゴールドラッシュ
築城ブーム
4 悪党停止令
普請場無残
辻切・スリ・盗賊停止令
無数の石川五右衛門たち
奉公人たちの五人組・十人組
奉公人の連判と海賊の誓紙と
下人十人組から京の町の十人組へ
エピローグ --東南阿島の戦場へ
日本軍、ルソンに侵攻か--マニラ総督の危機感
日本人の傭兵と奴隷
無数の山田長政たち
東南アジアに流れる武器と傭兵
武器・奴隷・傭兵の禁輸令
オランダ店イギリス商館の反応
傭兵禁輸令の衝撃
あとがき
戦国期の災害年表
索引
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